「省エネ・経済性」には社会と家庭の次元それぞれでの問題があります。
  このQ&Aページでは数値的なものより考え方や意味を中心に御説明しております。
  そのためいささかピントのズレた説明もございます。その上で分かりづらい説明には
  「質問ボタン」などで「突っ込み」を入れていただければ幸いです。




※7/15現在工事中です。質問受付はOKです


1.一般ユーザー様からのよくある質問
Q1床暖房の心地良さは定評があります。しかし、なぜ?理由は?
Q2:床暖房にはどんな種類がありますか?
Q3:「維持費は安い」と、どのメーカーもシステムも謳っています。どれが本当?
Q4:維持費とともに灯油・ガス・電気の特徴は?
Q5:費用対効果でいうと、結局のところなにが「得」だといえますか?
Q6:建物の種類(在来木造・木質プレハブ・鉄骨・RC)により床暖房の仕組みは異なりますか?
Q7:単位面積当たりの施工費用はどれくらいですか?
Q.8:寒冷地ではどうですか?
Q9:準寒冷地ではどうですか?
Q10:必要なメンテナンスについて教えてください。
Q11:使い勝手について。操作性はどうですか?
Q12:宣伝では「経済的」といっていますが、「オール電化」は本当に安上がりですか?
Q13:設備の寿命はどれくらいですか?
Q14:潟cAで実際に施工できるエリアはどの範囲ですか?
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2.プロ(設計担当・工務店様)からのよくある質問
Q1床暖房の採用にあたり、建物側での仕様変更すべき点はありますか?
Q2床暖房の採用にあたり、建物予算への影響はどうですか?
Q3床暖房での暖房効果は立地条件や気象変動などでどの程度の影響を受けますか?
Q4:RC構造でいわゆる{打ちっ放し}で仕上げだ場合、暖冷房のロスはどれくらいか?
Q5:結露が心配だが、暖冷房時で配慮すべき点はなんですか?
Q6:複数階層の場合、各階に床暖房を敷設したいが?
Q7:一階のみ床暖房を敷設した場合、二階への影響はどうですか?
Q8:床暖房の出力はどう考えればよいですか?
Q9:床暖房の暖房効果とは、つまりなんですか?
Q11:「省エネ」「エコイズム」の観点からはどう考えるか…
Q11:蓄熱式施工の実績から自己評価できることはなんですか?
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a.一般ユーザー様からのよくある質問


Q1:床暖房の心地良さは定評があります。しかし、なぜ?理由は?

A:それは均質に放出される「遠赤外線」効果によります。これは輻射熱とも呼ばれる現象です。この「遠赤外線」という言葉はよく耳にしますが、特別なものではありません。熱を帯びた物体が熱を放射するするとき、この「遠赤外線」に相当する電磁波がもっとも熱エネルギーを含むと考えればよく、体温を持った人もまた「遠赤外線」を放出して体温調整をおこなっています。
この点を特に強調し、特別な素材でその効果を出していると宣伝している床暖房システムもあります。ですが真っ赤に焼けた鉄からも遠赤外線は放出されますし、書きましたように人体からも遠赤外線は放出されています。熱を帯びた物があり、周囲にそれより温度の低い物体があれば、熱は遠赤外線という電磁波の形で放出され、高いところから低いところへと移動します。この遠赤外線が面的に広く放出されるとともに、ダイレクトに人体に熱が移動するため、床暖房はより快適に感じられます。
同時に、熱的な効果として床暖房方式の暖かさはソフトです。ストーブなどでは放熱面積が小さいため、かなりの温度まで加熱して所定の暖房効果を得ますが、床暖房は「放出面積の広さ」により温度を下げることが出来ます。それでマイルドな暖かさ(「小春日和」に例えられます)が得られます。この点がストーブなど局所的な暖房機との大きな違いとなります。

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Q2:床暖房にはどんな種類がありますか?

A:いろいろありますが、代表的なところで書き連ねますと、
温水タイプ…ガス・灯油・電気(ヒートポンプ式)。「水(多くは不凍液)」は熱を運ぶ媒体として優れています。温水パネル・温水マットなど商品化されたものが多く出回っています。モアの蓄熱式はこの「温水タイプ」ですが、そうした製品をあまり使用しません。
ヒータータイプ…100V・200Vの電気によるもので、いわば電熱線タイプの埋め込み用やフィルム状の1mm以下の厚みで仕上げられる、温水パネル式より施工性の良いものがあります。
ソーラータイプ…太陽熱利用のエコ・マインドを満たすシステム。ただし自然エネルギーは供給において不安定です。建築予算を含め、設備費もかかります。その発想は「空調」のそれであり、コントロールが多少困難になります。
地熱利用タイプ…なお開発途上にあるシステムです。オーストラリアにはかなり高温(100℃以上)の地熱地帯があるそうですが、日本で利用できる温度は通例11〜14℃程度。これをヒートポンプなどで加温します。設備コストがかなりかかりますので、将来的には大規模な開発に向くと思われ、そこから戸別供給できるよう集合配管などをすれば面白いシステムと思われます。
製品化しているメーカー名を掲げますと、
温水式パネル…東京ガス・ノーリツ・リンナイ・パーパス・パロマなど。
温水蓄熱式は潟cA。ヒートポンプで冷水も作ります。
ヒーター方式…フィルム(シート)方式はJ.B.H梶E床暖房ではありませんが、同じ輻射熱利用の蓄熱レンガ方式は北日本電線梶E日本スティーベル(ドイツ)・白山製作所・ユニデール社(ドイツ)・オルスバーグ社(ドイツ)などがあります。

※その長短について詳しくはこのページをご覧ください。

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Q3:「維持費は安い」と、どのメーカーもシステムも謳っています。どれが本当?

A:「高い」と言って売る商売はありません。それぞれに比較基準があるはずです。
その上で、どの範囲の広さがどのように暖かいか、単位を統一して比較する必要があります。燃料なども、プロパンガスは液体状態の重さ(kg)で表示したり、あるいはガス状態の体積で単価を表示したり、しかしその重量や気体状態の体積でどれだけの出力(熱量)があるのかフメイだったりで、なかなか容易に比較させてくれません。
8畳あたりで3,000円/月と維持費を表示してある場合、ならば全面床暖房だと一体いくらかかるのか、とても不安になるばずです。
そこで出力「10kW」あたりの値段はいくらか、で比較すると一目瞭然です。
※この参考ページで「COPを考慮した10kWあたりの価格」という比較表をご覧ください。

さらに、大事なのは燃料やシステムの選択と共に、暖冷房の維持費は建物構造・性能と大きな関わりがあるため、この建物条件も最大限に考慮しておく必要があります。建物性能により、特に暖冷房費は1:5といった比になる場合が多々あります。あまりに相違しますので注意が必要です。
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Q4:維持費とともに灯油・ガス・電気の特徴は?
Q4:維持費とともに灯油・ガス・電気の特徴は?

A:灯油とプロパンガスの特徴はもはや、「高値安定」といった印象が強くなっています。家計においては、「高い」より「安い」が良いに決まっています。「灯油」は燃料の中で最も安いのが取り柄でしたが、これがどうも魅力半減といったところです。これらはマイナスの特徴を帯びています。灯油はもはや、タンクの設置や給油の手間もあり、沈没気味です。本来なら「高温水」を得られる頼もしい燃焼機器なのですが、維持費は
 都市ガスについては、一年前には「電気の時代でガスの需要は後退気味のため、もう値下げしない」と宣言していたガス会社が、ここにきて少し抵抗を見せ、気持ち「安く」しました。ガス機器はコンパクトになっており、都市圏の住宅事情である土地の有効活用の観点から、なお設置性の点でメリットを持っています。この点でエコキュートの採用は占有面積が仇となり敬遠されがちです。
 電気はガスや石油と共に為替レートの変動で高値に傾いたままであり、暫時値上げ傾向はつづくと思われます。その上でも、世界的にエネルギー事情は逼迫しており、「原子力発電」の計画はまた各国で息を吹き返しています。日本では石油・石炭・天然ガスによる火力発電が66%、水力発電が9%、あとは原子力発電に23%の割合で頼っています。家庭次元において使い方によっては、現状、もっとも安いエネルギー源といえますが、それよりなにより家庭の設備の多くは電気なくして働きません。「市場」においてはそういう不動の地位を占めています。
 家庭次元での場合、灯油やガスは排気ガスが必ず出るため、それに比較すると電気はやはりクリーンです。火災の危険性も少なく、電気は否応なくエネルギーの中枢となっています。ただし発電現場(火力発電)では排気ガスは出ていますし、最近の新潟県中越沖地震発生による柏崎刈羽原子力発電所の事故例があります。それ以外の場所(東海)でもありえないチョンボがありましたから、その設計時だけではなく維持管理体制までが均質な技術・知識を普及させることが当たり前ながら必要です。便利ながら事故になると人の手に負えない怖い威力を秘めています。

※その長短について詳しくはこのページをご覧ください。
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Q5:費用対効果でいうと、結局のところなにが「得」だといえますか?

A:「損得勘定」の「得」ならやはり、結論は電気のヒートポンプです。但しこの機械をどのように利用し、どう維持するかも考える必要があります。建物性能の問題もあります。
 最近は「エコ」ブームもあり、そのためなら費用は多少高くても構わない、というお客様も多々おられます。「効果」はそうした抽象的な、あるいは「社会性」を意識した概念も含め、いまでは多様性を持っています。それが将来子供のためになるのなら、多少の出費は望むところという考え方もあり、「価値観」というものが判断のフィルターとして媒介しています。「家」を考えるというのはそういうことです。
 ただし、ここでは「損得勘定」一本で考え、ついでに「エコ」を考えてみます。なんでも高くなったこの現在で「得する」とは、ムダを省く…つまり意識しようとしまいとエコロジカルな配慮を兼ねたことになる可能性もあるからです。「もったいない」「無駄遣いを止める」というのは、紛れもない「エコ」のはずです。
 まず、床暖房にあってはいろいろな製品が開発され、販売されてきました。10年以上前からの景気低迷の日本では、それでも床暖房需要だけは着実に伸びていました。物の値段は「デフレ・スパイラル」現象とも呼ばれ、機器メーカーや製造業はコストダウンに汲々としてきましたが、この床暖房関連の商材にはまだ「相場形成」がなく、それまで高級品扱いだった経緯から「高値」で売れる商品として、ジワリジワリと各種のメーカーが参入してき、「オンドル」の歴史を持つ韓国企業も日本市場に参入してきました。景気低迷の中で利益の上がる商材を開発することは、ほぼ必然の流れとなってきました。この市場での後発メーカーにあっても、先行メーカーの値段の高い商材を参考に、定価を設定することができました。蓄熱式レンガの電気暖房機器各社の値段は統一的で、あるいは温水パネルの製造各社の値段も統一的なのは特徴的です。
「利益追求」もまた「損得勘定」であって、それを非難するには当たりません。同じ勘定で、あまりに「高い」と思ったら買わなければ良いだけです。ここで多少の出費は仕方なしと思ったら、「買い」です。
 床暖房にはこうした市場背景が広がっていますが、それでも基本的に新築時にしか導入できないこの設備は、初期の「高級感」を漂わせたまま、現在でも販売数は伸びています。「仕方なし」といった無念さと、快適さへの憧れから導入する、というのが一方の実勢です。
 ですが、「適正価格」とは何なのか、と、これから計画するお施主様には考えていただきたいものです。それは市場の競争と需要の如何で決まる、きわめて流動的な性質のものだいえます。「適正」さとは流動的なものです。どのシステムを導入するにしても、それを望むからには現時点での適正価格を信じるしかありません。
 同時に、ここにきて真剣に導入を考え、だからこそ比較をしてみないと気が済まない、というお施主様は当然ながら増えています。そうした場合の観点はかっきりと設定できます。以下の通りです。大きく分けるとやはりイニシャル・コストとランニング・コストということになりますが、これらを含めてさらに細分化しますと、

a.建築時の費用(床暖房システム工事と建築側での手間(床暖房用の床材や専用畳)
b.使い出してからの維持費
c.暖房(冷房)効果として実際的な働きの程度=快適性
d.設備の耐久性能
e.設備維持(メンテナンス)に関わる手間
f.使い勝手
g.安全性
h.選択したエネルギー源の将来性
i.近未来での設備のエネルギー互換性
※既存の床暖房設備のおおよそはそのままに、熱源のみガス設備から灯油設備へ転換するとか、灯油設備から電気設備への転換が可能かが問題です。10年先はだれにも分かりません。結果を見れば中国やインド・ロシアなどが巨大消費国になりつつあるのは必然のようであり、しかしこの予見に立脚したプランを10年前にだれが立てたか、というような話です。いつでも現実は進行形であり、否応もなく近未来より現在が重要になります。巨大消費国家として一度は栄華を謳歌した日本であれば、この現在、もはや少しは近未来を視野に入れたいものです。さらに巨大なアメリカも、これからしばらくは、いわば反省期に入るといえます。アメリカはドル安を利用した輸出大国となるかもしれません。ただし今後もドル建ての取引が許されるならば、ですが。「サタデー・ナイト・フィーバー」はもはや、中国のものです。
j.設備の建物への影響
k.環境=エコ

 経済性とはやはり合理性です。合理的なものとはa〜kまでの条件を満たすもののはずです。こと床暖房システムにおいては、システム構成においてもムダを省き、実質本意のプランを立てれば経済的で省エネ、はたまたエコロジカルなものになります。ある種の省エネまたはエコロジー優先のプランは、初期投資が大きくなります。
 この「初期投資」は、反エコと考えられます。人的労力・資源消費・資材・製造に関わるエネルギー消費などにおいて、あらかじめ不経済で反エコロジカルなプロセスを経ている可能性があるからです。
 「費用対効果」において、費用が大きければムダが多く、暖房(冷房)効果のみならず省エネ・環境(エコ)において多大なロスを含んでいる可能性大です。
 実のところ、生活次元での「経済性」「省エネ」「エコロジー」といった要素は、その設備のみならず、実際に住まう環境として考えれば、「建物性能」との相対関係でも結果は大きく変化します。この「建物性能」の基本は、建物構造が凝っているという意味ではなく、単に断熱・気密に留意するのみです。極端な話し、安普請でもこの点に留意すれば「省エネ住宅」になります。


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Q6:建物の種類・構造により床暖房の仕組みは異なりますか?

A:異なりません。木造・2×4・鉄骨造・RC構造など、基本的にどういうシステムでも組み込むことが出来ます。

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Q7:単位面積当たりの施工費用はどれくらいですか?

A:「坪単価」は便利でよくこの問い合わせをいただきます。製品を利用したシステムではある程度の単価を出せるのかと思います。特に電気のフィルム式のものなどは面積に同じ率で比例してゆくので坪単価として出し安いかと思われます。
電気でもガスでも温水式であって、パネルなどの既製品を利用する場合もそうです。広さ(暖房敷設面積)により同じ率で比例してゆくので坪単価として出し安いかと思われます。
ヒートポンプを使用した蓄熱式の場合、敷設面積が広いほど単位あたりの施工費は安くなりますが、それは1Fの床面積が65u程度までで、さらに建物面積が広くなると暖房熱源機が二台必要になり、この時点で坪単価は変化してしまいます。「ザックリ」で構いませんと鷹揚な問い合わせもあるのですが、蓄熱式ではこれがザックリとはゆきません。蓄熱式は全面床暖房なので、他のシステムより大幅に安くなるとはいえますが、それがどの程度になるかは、実際に相見積を取って比較していただくしかありません。見積はどこも無料のはずです。なにによらず積算はパターン化されている場合が多く、見積依頼は迷惑にはなりません。遠慮なく見積請求をしてみるべきです。


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Q.8:寒冷地ではどうですか?

A:寒冷地ではまず、暖房の種類よりも建物の断熱性能が優先的に考えられています。断熱が完璧なら、極端な話が火鉢一個で暖まる、ともいえます。ただしその場合でも、北国では運転方法が相違します。関東なら間歇運転で必要に応じて暖房しますが、北国では暖房が絶えると建物が急速に冷えてしまうため、24時間運転を理想としています。北国の最近の注文住宅では例外なく断熱性能が優れているため、暖房費の軽減のために低温床暖などをおこなっています。建物を暖めるというより、冷やさないように熱源の運転を比較的に低温度で継続し、センサーによりコントロールしています。それでも24時間運転ですから、関東以西の暖房費よりどうしても高くなります。北国ではこれまで石油熱源が多かったため、現在の原油高騰では、とても困っているはずです。今後はイヤでも電気に頼ると思われます。

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Q9:準寒冷地ではどうですか?

A:考え方は寒冷地と同じで、やはり建物の断熱だけはしっかりやっておくのが先決です。その上で、室内の温度はあまり上下の差が大きくならないような運転の方法が必要と思います。低温水で24時間運転をするとか、システム的に自動で計画運転をおこなうシステムにすると便利です。

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Q10:必要なメンテナンスについて教えてください(故障・修理についても)。

A:
まず、ガス熱源機では自動給水タイプが多く、定期的なメンテナンスは不要です。不凍液につきましても、いままでは3年で交換というものが主流だったため、定期的な点検が必要となっていました。ですが最近では「ロングライフ・タイプ」の不凍液があり、これを入れておけば安心です。
また、「不凍液は3年で交換してください」と説明書に書かれてあっても、これはどうも従来の金属管(主に銅パイプ)仕様を前提に説明されているようで、ここ10年というもの、どのメーカーでも架橋ポリエチレン・ポリブデン管などの樹脂系の採用が主流となっている現在、この注意書きは時代遅れかもしれません。確かに既設の設備ではまだ金属管で施工されているものが多いため、メーカーとしてはこの注意書きは欠かせないのかも知れません。ですが、これから施工をする場合は、金属管はあまり使用されないと思われます。
樹脂管はそもそも腐食や汚れとは無縁のため、旧タイプである三年寿命の不凍液を使用した場合でも、あまり汚れが見られません。
次に、灯油・ヒートポンプ仕様の熱源機の場合は、循環水が不足してもガス機器のように自動で給水できないため、お客様によるメンテナンス・手立てが必要となります。ただし、不凍液の残量不足になった場合、「EL」などの給水サインがリモコンに表示されるため、定期的に点検する必要もないといえます。小型のものほどシーズンに一度は手動による給水が必要になる可能性がありますが、標準タイプ(8kW程度)以上のものでは数年の間はこの水補給(水道水で補給)がサイン表示されることはありません。
たいていの場合、補給口は簡便なキャップで閉じられているだけなので、補給は簡単で、それほど神経質になることもありません。循環水が足りなくなれば、機械は自動で止まってしまいます。
※この温水式(冷水式)に特有の「不凍液」についてですが、使用していると水分が少しずつ蒸発するため、濃度が濃くなります。そのため水道水のみで補給して構いません。
最近のガス熱源機ではそもそも「不凍液」を使用せず、水のみで運転することも多々あります。ですがその場合は、不凍液の代わりにガスを燃焼させて少しだけ暖め、それで不凍性能を維持しています。つまりガス代がかかります。リモコンを切っておいても自動で凍結予防運転をおこないます。首都圏ではこの方法が東京ガスを中心に採用されていますが、どうも燃料会社の手前味噌という気配もあります。この仕組みはカットすることもできますが、その際は不凍液を注入します。

A-2:故障・修理についてはモアにご連絡ください。
    まず、設備引渡し後の屋内側でのトラブルは皆無です。シンプルを旨としてプランニングされていますので、過去十年の間に700棟以上の実績がございますが、屋内配管部での故障はありません。
多く故障やトラブルの原因となるのは、センサーや制御用の熱動弁を取付けるなど、あまり有効と思われない制御用の計装工事を施すと故障率が上がります。モアのプランでは、こうした余計なシステムは極力排除し、屋外に置かれた熱源機器が本来兼ね備えている機能を利用しています。ノウハウがありますの詳細には書けませんが、シンプル化こそ技術の粋といいうるとモアでは考えています。
将来にわたり故障がありうるのは機械本体です。この機械本体については、万一故障が発生した場合、機器メーカーの全国サービス網により即日対応が可能になっております。ご連絡はモアへ頂ければ、後はお任せです。安心してご使用ください。メーカーで原因を特定できない場合には、全国どこへでも、モアが出張サービスをおこないます。そうした事態はほぼ皆無ではありますが。


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Q11:使い勝手について。操作性はどうですか?

A:おおよそのシステムでは、「使い勝手」とはリモコンの操作性ということになります。

ガス・灯油・電気の場合でも、リモコンの操作表示はどれも似ていますので、基本的には大差ないといえます。
ただしある種のシステムや、オリジナルに使い勝手や仕組みを指定された場合、操作は複雑になる場合があります。機械本体が持っている機能とは別に、センサー(空気温度制御・蓄熱温度などの計測)を取り付けて制御したり、さらに部屋ごとに間歇運転ができるような仕組みでは、若干の使い慣れが必要な場合が出てきます。
そもそも部屋ごとの制御が「経済的」という発想は、燃料費の節約という観点からきています。特に東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなどの大手都市ガス会社のものが、この部屋ごとの個別制御を推進してきました。が、これは「ガス代がかかりすぎる」というクレーム対策で発案された仕組みだといっても過言ではありません。時代によっては、これは確かに「倹約」のために必要なことでした。「高い」のが前提で開発された床暖システムは、つまり「高価」であって「ぜいたく品」の部類に入った設備であり、それを少しでも合理的(節約)に使うため、個別制御は採用されてきました。
ですがこの現在、「床暖房」は新築時プランでの外せないパーソナルな設備となっています。
まず、個別制御はそもそも経済的か、といえば決して「節約」になるシステムではありません。建物の外壁に当たる壁には、ここ二十年以上、大なり小なり断熱材は採用されてきました。ですがこの現在でも、これは当然なのですが部屋と部屋の仕切壁には断熱材は使用しません。個別暖房(冷房)の部屋では、このため隣の部屋に暖房の熱は逃げています。経済的なようでいて、実は効率はあまり芳しくない、というのが実態です。暖房不要なはずの隣室(たぶん無人)へと熱は逃げ、そのロスを補うべく暖房(冷房)は自動的に所定の温度まで暖め(冷やす)ようと運転されます。倹約というより、とても「もったいない」気がします。
つまるところ、これは「断熱」に配慮した建物を前提にすることが真の「節約」であり、効率的なことになります。8〜10畳を暖める(冷やす)運転で、実のところ全室が暖まってしまうのが、断熱に配慮した建物の特徴になっています。しかも快適性は格段に優れています。
空調や床暖房システムの相違より、まずは前提条件をこの「断熱への配慮」にすることが先決でしょう。そうして小さなエネルギーで最大限の暖房・冷房をおこなうことが、合理的です。
そうして操作性の問題に戻りますが、なんといっても計画運転という自動運転が「操作性」の問題を小さな問題にしてしまいます。個別運転のように使用者が常時、自分の感覚に任せ、人為的に設定変更をするというのは、便利そうでいて結果的にとても不経済であり、不便極まりないということになりかねません。
制御においてシステムを複雑にすることは不経済です。不合理です。故障率も上がります。効果を下げずにシステムをシンプル化することが技術であり、実質的にも感覚的にも経済的であり、経済性は現実的なエコイズムに必ずつながってゆきます。コストを度外視したエコ・システムは、別名、「実験」と呼ばれます。コストを掛けるというのは、不経済というのは、そもそも非省エネであり、非エコになります。「コスト」=人件費・材料費・加工費・製造上のエネルギー消費を指します。
もちろん。それでも「実験する」というお客様はおられます。その際は、これまでもモアでは協力させていただいてきました。仕事上、興味深いものが多いからです。お客様の方が面白い発想を持っている場合もありました。そうした際は大変勉強になります。
モアではお客様のご希望によっては、ご一緒にあれこれ制御方法を考えます。それもまた楽しい作業です。そういうお客様がこの世を進歩させているとも考えられます。
ですが通常はやはり、初期費用も維持費も安いに越した事はない、というのが実情です。「生活第一」は無視できません。
「操作性」には、そのような問題まで絡んでいます。


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Q12:宣伝では「経済的」といっていますが、「オール電化」は本当に安上がりですか?

A:このことはもう一歩踏み込んで考えざるを得ません。「オール電化」の採用により、うっかりすると以前より光熱費が高くなる、という事態は実際にあるからです。
「オール電化にすると電気代は本当に安くなるのですか」というモアの素朴な質問に対し、電力会社では「使い方次第」という返答でした。「使い方次第」とは「倹約」とほぼ同義で、この料金システムを採用すればおのずと安くなるわけではないということです。なにしろ「深夜単価」は安くとも、その分、昼間は高くするのですから、そのままでは安くなるはずがありません。そもそも電力会社では売上を下げる意図などさらさらないのです。効率良くさらに拡販するという姿勢ははっきりしています。「株式会社だから当然だ」というのは、好意的すぎる見方です。エネルギー会社は確かに民間会社の運営方法を採っていますが、半面で電気事業法により国から管理されてもいます。
エネルギー需給はライフラインの有力な一要素であり、これが一般市場のように有効な投資目的になれば、一方で破綻もありうることになり、これを絶対に回避すべきとする最近の司法判断のように、昨今のニュース報道でも注目される「公共目的」を堅持すべき義務を負う企業でもあります。いわゆる二足ワラジがエネルギー供給会社の姿です。
この公共目的では、安定供給はもとより、料金も「より安く」というのが当然の運営方針になっているはずです。ですが、バブル経済以来、その運営経費の方が肥大したままだと推測されます。首都圏では、東電も東ガスもいわば宣伝を含む営業経費や事務的な維持経費が肥大したままだと思われます。これをそのまま維持しようとすれば、料金を安くすることなどできない相談です。発電のための開発経費や設備投資は良いにしても、ある空虚なイメージを喧伝するために使われる経費は、たぶん莫大なものでしょう。東京ガスがこの15年間にイメージ・チェンジのために費やした経費はいかほどのものか、東京ガスに聞いてみたいものです。
いわずもがなですが、公共事業は質実剛健を旨とすべきです。派手なイメージなど自己満足以上のものではありません。日本の経済はすでに成熟してしまい、経費的にも維持管理はタイトな運営が必須となっています。
まして、宣伝で「経済的」などと言うからには、実際にどこがそうなのか、消費者に伝えるべきです。市場の独占性は確保されているのですから、販路拡大の宣伝経費は無用です。これは「省資源化」の宣伝と矛盾しています。
政府もまた、不足がちな法人税欲しさに公益事業の収支について黙認しているフシがあります。
こうした背景を踏まえれば、「オール電化」への安易な追随は電力会社の「思うツボ」という事態になります。
東電が言った「使い方次第」とは、「倹約」という素朴な見解以外に、なにか方法があるでしょうか。
あります。当面は「倹約」などという煩わしい方法を採らずに、仕組みでこれを経済的にすることは可能です。
第一には、建物の断熱をしっかり施す、ということです。これはエコロジー先進国のドイツでも10年以上前から指摘されていることです。
さらに、良くも悪くも日本には「オール電化」という料金体系があるため、夜間の安い電力を積極的に利用し、昼間の高い電気代を回避する策を講じることです。このことでいわばエネルギー会社の肥大した維持経費問題とはまったく別の次元で、対処することができます。
給湯設備も暖房設備も冷房設備も、断熱とともにすべて深夜電力利用に切り替えれば、維持費は劇的に下がります。
これで初めて、「オール電化は安上がり」ということが出来るでしょう。

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Q13:設備の寿命はどれくらいですか?

A:
「平均値」というものは手っ取り早い目安になりますが、相手が機械の場合、あまり当てにはなりません。機械の寿命は使用時間に準じます。車が良い例ですが、もしも車の寿命が10万キロ走行を目安とするのであれば、一年で10万キロ走った車と十年かけて10万キロ走った車の比較では、中古車で買うならどちらを選ぶでしょうか。はたまた、この二台の車の値段は違うのでしょうか。違うなら理由は何でしょうか。修理を施せばさらに乗れる車はどちらでしょうか。
同じ設備機械で比べる限り、その寿命とは、一般には「使用時間」の多寡により決まります。
こと床暖房(冷房)においては、配管部と機械部では寿命の年数は大きく異なります。配管に使用する架橋ポリエチレン管は50年以上楽々持ちますが、これも通水する温度により劣化の時間は変わります。より低温の方が長持ちします。「蓄熱式」は低温(40℃以下)床暖房です。一方の機械部は10〜15年が目安となります。
ただし機械部の熱源により、ガス・灯油などの燃焼機器とヒートポンプでは、劣化の様相が異なります。ガスなどの燃焼機器ではどうしても高温で使用するため、金属は劣化します。その排気ガスは酸化した水蒸気を吐き出しますので、その排ガスもまた金属部分を痛めます。
一方で電気のヒートポンプの心臓部はコンプレッサーですが、これはエアコンの室外機とまったく同じ構成で、熱交換器とポンプが内蔵されている点で、床暖房(冷房)機器とは相違します。
最近のエアコンの寿命はかなり長いです。モアの事務所で使用しているエアコンは夏・冬と暖冷房に使用し、すでに18年目になりますが、修理は一度もしたことがありません。普通の家電店で特価品を購入したのですが、それがまだ健在です。これは驚きです。
公平を期せば、機械的な完成度は、ガス機器もまたかなりのものです。故障率も下がり、ほぼ完成の域に達していると思われます。「こんな機械は日本にしかない」と自慢できます。瞬間湯沸器の完成度はそのように精密です。いずれ東南アジアなどへも輸出され、重宝されると思われます。「瞬間」と名付けられたとおり、その温度制御の緻密さとともに、その便利さにおいては家庭用でも業務用でも世界に自慢できる逸品といえます。各家庭にあまねく溶け込んでいるため、あまり意識されませんが、これは大発明です。初期にはフランスやドイツ製の機器を模倣していましたが、パーパス(高木産業)主導で電子制御化され、「微分・積分制御」とか「フィードバック・フィードフォワード」とか呼ばれる緻密な制御部を完成させ、大きく進化してきました。戦後初期のドイツ(ユンカース)やフランス(シャホートー)の製品はお湯をたくさん出せばその分ぬるくなり、細くすると熱くなる単純な仕組みでしたが、現今の日本製はリモコンで温度を指定すると、湯量を太くしても細くしても指定温度を維持するという、画期的なものです。これは実は、世界の製品と比べると凄いことなんです。
寿命ばかりでなく、そうした機械の働きぶりもまた、日常に埋没して便利さが見えにくくなってはいますが、評価して欲しいと思われる次第です。「日本的」なるものがエンジニアリングの世界でも確固とした生活指向に根ざし、いくつも成果を上げてきました。


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Q14:
潟cAで実際に施工できるエリアはどの範囲ですか?


A:いまやほぼ本州全域と四国・九州にも出向いております。不景気のせいもありますが、望まれればどこまでも、という意気込みがあります。
ただしそうした遠隔地での施工は、その後のサービスはどうなるのかが、ユーザー様には心配になるはずです。
ここが「蓄熱式」の強みです。
まず、設備引渡し後に屋内側でのトラブルは皆無です。シンプルを旨としてプランニングされていますので、過去十年の間に700棟以上の実績がございますが、屋内配管部での故障はありません。
多く故障やトラブルの原因となるのは、センサーや制御用の熱動弁を取付けるなど、あまり有効と思われない制御用の計装工事を施すと故障率が上がります。モアのプランでは、こうした余計なシステムは極力排除し、屋外に置かれた熱源機器が本来兼ね備えている機能を利用しています。ノウハウがありますの詳細には書けませんが、シンプル化こそ技術の粋といいうるとモアでは考えています。
将来にわたり故障がありうるのは機械本体です。この機械本体については、万一故障が発生した場合、機器メーカーのサービス網により即日対応が可能になっております。ご連絡はモアへ頂ければ、後はお任せです。安心してご使用ください。メーカーで原因を特定できない場合には、全国どこへでも、モアが出張サービスをおこないます。そうした事態はほぼ皆無ではありますが。


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b.プロ(設計担当・工務店様)からのよくある質問

Q1:床暖房の採用にあたり、建物側での仕様変更すべき点はありますか?
A:採用するシステムによっては若干の変更がありえます。

Q1_2:それは例えばどの部分が該当しますか?

A:パネル・マット方式の場合は、このパネルの厚みの分だけ床下地の厚みが増えます。蓄熱式などでは蓄熱層コンクリートが平均で80〜100mmの厚みを必要とするため、設計時にその余裕を見ておく必要があります。床下の基礎断熱のない場合も同様で、通常、蓄熱層の下には防湿シートとともに断熱材(30〜50mm程度)の敷設が必要になり、その分も考慮する必要があります。これを変更しないと天井高が相対的に低くなる場合があります。

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Q2:床暖房の採用にあたり、建物予算への影響はどうですか?

A:
ヒートポンプの場合ですと、専用の電源工事(単相200V・専用回路、VVF1.6mmまたは2.0mm)が必要です。設置スペースの確保も必要になります。床暖房用のフローリング(※)に変更を要する場合もあります。断熱施工の程度はどうでしょうか。この断熱にさらに追加費用が出る場合もあります。蓄熱式では、蓄熱用のコンクリート打設工事が必要になります。

※フローリングにつきましては、床暖房用のものを使用するのが無難ですが、蓄熱式の床温度は22℃程度です。通例ではこの温度範囲で使用するため、普通のフローリングでも大丈夫なはずです。
最近では無垢材の使用がさらに増えていますが、この無垢材にも床暖房対応のより乾燥度の高い製品が出ています。ただし専用のものを使用しても、床暖房の使用温度によっては、長時間使用する場合には継ぎ目が広がる傾向があります。場合によっては床鳴りまで起こります。これはもちろん乾燥によりますが、製品によって乾燥度はどうも相違するようです。製品が乾燥させてあっても、倉庫で保管されている間に湿気を吸い込むとか、あるいはそもそも乾燥度があまり一定でないという場合があるようです。施工後に湿気を吸うことも大いにあります。このため大工さんによっては、あらかじめ隙間を設けてフローリングを貼る例は多々あります。季節によって板の状態がちがうからです。
ですが、これはユーザー様に知って欲しいことですが、無垢材はある程度の伸縮を繰り返すもので、たとえ少々のスキ間が継ぎ目にできたところで、春以降にはまた自然の湿気を吸って閉じてしまう性質のことでもあります。床鳴りが許せないというのも、いささか神経質になりすぎていると、いえないではありません。無垢材は製品化されても自然に対応して呼吸している=伸び縮みすると考えた方が自然で、あらかじめ知っていれば我慢できる性質のことでもあります。無垢材の証明とでもいうべき現象です。
合板のフローリングの場合でもこうした現象は起こります。これを回避するのにあらかじめ強力な接着剤を使用して釘を打つのが一般的なようですが、伸縮という木が呼吸する力は意外に強く、これを力で捻じ伏せるというのも、不自然な印象があります。木の持ち味は伸縮であり、これが柔軟性を意味することにもなり、柔よく鋼を制すで全体的な強度につながっていると思われます。

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Q3:床暖房での暖房効果は立地条件や気象変動などでどの程度の影響を受けますか?

A:
屋内の熱環境の変化は気象条件に比例して大きく影響を受けるのは御承知の通りです。最近では「Q値」などを参考に断熱性能を客観化して重視する傾向が、いわばお施主様側からアピールする形で強まってきた、と感じられます。プロに丸ごと任せればなんとかなる、とは、お客様は考えなくなっています。より確かな結果をプラン段階からあらかじめ求めるという、積極的なリクエストが増えるのは当然といえば当然です。
ただし、情報過多のせいか、お施主様側ではかえって結論を出せなくなり、その時点でプロに一任する傾向があります。
複数のデータは持っているが、その取捨選択の段において迷うのは、これは建築側でも同じです。断熱材メーカーは当然ながら自社製品の長所=セールス・ポイントを強調するため、それらを並べて比較すると、どれも外せない、といった困惑に至ります。コスト。施工性。寿命。新聞紙・ダンボール素材などパルプ系のものにはデンプン質等のいわば栄養素が残り、それが湿るとバクテリアなど腐敗菌のエサになるのではないか、等々の懸念も生じます。天然素材は有機物のため、健康には良さそうだが菌類の栄養源になりうる、と考えられます。乾燥状態では食えないが、ひとたび湿り気を帯びれば菌類による摂取や消化が可能になるのでは、と懸念されます。なにによらず自然素材は、時間経過を思うと扱いにくいのが常です。セルロース(繊維素)系なら消化が悪いため菌類に敬遠されるだろう、とも思われます。シロアリでさえ木材の年輪部分や芯は敬遠します。栄養素の残る、いわば旨い部分が狙われると考えられます。
だったら何が正解か、となると、やはり迷います。

一方、地域による平年並みの気候と、現今の「異常気象」の差は大きく、そのどちらに照準(基準)を合わせるかが、目安としての「Q値」の許容範囲の決定を迷わせます。これはコストにも反映されるため、断熱材の選定や構造上の配慮には、責任上プロゆえに神経を使う一つのポイントになっているのだと推察されます。
すでにこの時点で、「性能」には複数の要素が絡んでいます。コストの問題も大きいですが、そもそも「異常気象」という言う場合の「異常」という言葉からも、いわば「社会責任」といった公共的問題が連想され、それを個人的にコストを掛けて対処するのは間違いではないか、それこそ「異常」ではないか、とかの迷いも生まれています。それに応え、及び腰ながら「助成」という国の制度もあります。異常気象同様、社会的動向まで、個人的でプライベートな「建築計画」の中へと侵入する事態が起こっている、といえそうです。地震の問題もその最たるものです。これが天災か人災かといえば、一頃までは「天災」と感じられ、最近では「建築基準」という法令に則して「人災」的な側面が強調される傾向にあります。
この現実的な対峙では、その防災コストをめぐって個人か国か、どちらが負担すべきかの問題がくすぶりつづけています。その点では、経済的停滞はいわば現象であって、その真因はやはり漠然とした不信感なのだと思われます。外からやってくるあらゆる場面、「異常事態」に対し、家の中から押し返そうとする勢いが、これから家を建てようとするお客様にはあります。これは当然のことで、長期ローンを組むなど、一世一代の事業が「バクチ」になっては、これはもう怒り心頭に発しうる異常事態です。それをさらに例証しうる自然や経済動向に対する情報は毎日、雨霰と降り注ぐことしきりです。
余談ですが、これは新築・既築を問わず、「賃貸住宅」に関しても問題はまったく同じです。空き部屋が多い、部屋が埋まらないと嘆く大家さんも、客(店子)を誘致する条件として組み入れれば有効ではないかと思われます。銀行の利子よりマシだ、という考え方から、不動産屋というよりマネージメント会社にプランニング段階から一切の維持管理を任せ、数十年後に金利よりマシないくらかプラスの利益を出す、という消極策に逃げ込む要因は上記の背景と重なっています。

そもそも機械用語であるはずの「性能」という考え方には、以上のような自然・社会背景があると思われます。建築もエンジニアリングの発想を兼ねないと、お施主様の要望に応えられない時代となっています。売手と買手は敵対するのが相場でしょうか。契約時も引き渡し時も、笑顔で握手とはゆかないものでしょうか。
こうした迷いからもう一歩話を進め、建物を取り巻く自然・社会環境がどのように劣悪であっても、
建物側での断熱・気密性能は、そうした劣悪な条件と出来る限り「縁を切る」ことを目的にすべきです。この地域だから「この程度で良い」という妥協は禁物と思われます。「コスト」は最長でも10年間で償却できる設備により、費用対効果を必ずゼロ以下にするというのが上限目標となります。断熱と気密への配慮は、そのまま維持費(光熱費)の低減に直結します。これはかなり大きな差となって表われます。外部と「縁を切る」といっても、社会への無関心ということではありません。対抗的であるとは関わり続けるということです。
高断熱・高気密住宅が北海道など北部から普及しだしたのはもっともな話しで、およそ10年以前からその影響を受け、関東圏でも高断熱・高気密化は進んできました。かつては対岸の火事の如く無関心で無防備であった「住宅性能」という寒冷地での知恵が、比較的温暖な地域でも有効であり、これは快適さとあいまち、「省エネ=経済性」を目的とすれば必然的に出てくる結論と気付かせました。かつての寒冷地では特に暖房費については無防備で、これは自然の驚異が人智を超えていたため、いわばナーバスにならざるを得ない環境であったからと思われます。唐突ですが、その極限の姿は、この寒冷地出身の作家・有島武郎の『カインの末裔』を、人間というより、それを取り巻く自然環境の観点から読めば推測できます(作家の創作意図とは大いに異なるので恐縮ですが)。
こうした建築条件の転換は、消費優先時代(「家は三度建て替えないと満足できない」というダメなら壊して建替える精神)から遠い昨今、社会情勢としてヨーロッパ型(いわば「ケチの精神」
)になりつつある日本では、まずはリフォームを試み、新築であれば政府の「200年住宅」に象徴される高耐久住宅のように、資源の節約(ケチ精神)とともに、途絶えてはならない毎日の生活における維持費の低廉化という、確たる目標に取って替わりつつあるといえます。
建物を主体に考えようとするとき、なにが優先されてきたかの推移・変化を思えば、さらに分かりやすくなると思います。いってみれば、外観や周囲の建物環境(家並)との調和など、「外からの目」を意識したプランニングより、「生活の場」という観点をより強く意識し、例えればかつての「応接間」という杓子定規な発想など捨て、機能性・経済性を優先した、少なくなった家族が安心して暮らせる、身を守れるという家本来の機能へとシフトしてきました。
「断熱」は自然との「断絶」という悪いイメージを連想させますが、単に経済性を目的とした機能性であり、これには可能な限り腐心すべきというのが結論です。
自然を愉しむのは簡単で、ドアを開け、外に出ればよいだけです。

ヨーロッパ型の「ケチ精神」

 もはや大昔にバブルのはじけたヨーロッパでは、日常の消費については強いて「ケチ精神」などと意識することもない、それこそ受身の生活姿勢として根付いてしまい、例えばひところのフランスでディズニーランドの赤字経営がニュースになったように、少しでもムダと感じられれば買わない、利用しないという姿勢が如実に表われたといえます。これは「ケチ」というよりヨーロッパ式の生活優先の合理主義なのでしょうが、観光者の目から表面的に眺めれば実に落ち着いた風情に見えます。パリの狭いアパートに住み、それで不自由かといえば、「自由」は精神という内的な問題であり、部屋の広さは関係ない、と主張するかのようです。確かに、部屋は質素でも外に出れば広大な森に包まれた公園があり、同じ内心の文化的優位性がその精神を補強しています。1000年前から森を焼き払い、人工的に作り変え(イギリスなど島中がすべて自然を模した人工的環境)、建物は石で造ったり、「家」「家族」より公共性を優先してきたかのような政治風土が、見た目で確認できるほどに合理的に配された街並みを形成させ、理屈抜きで納得させる歴史を背景にして成り立っているかのようです。
人間が実際に持てる理想は、そうした現に目に映る光景により目標とされるでしょうが、それでも地震国・日本が石造りの街を目指すことなどありえません。日本では「住めば都」といいますが、欧州大陸の広い公園で孤独をかこつより、街並みより近所付き合いというような、特にここのところ多々引退しだしているかつての企業戦士たちは、接してみれば判るはずですが、利害を超えた関係性をとても大事にしています。もはや定収入(年金)という限られた予算で、いまこそ計画的な生活を送るべき境涯にあって、求めるのは利害を超えた人間関係という生き方を推進しているかのようです。
経済優位から生活優先の考え方は、こうした元気な帰還兵が推進すると思われます。社会常識を持ち、かつ、いまや気を抜けない生活の原点に立つ推進者は、現実的で実現可能な、無理のない範囲の理想を掲げています。ブレーキを掛けつつ、それでも腹が立つという血気盛んな御仁もおられます。
日本では「ケチ」というより倹約を余儀なくされながらも、また社会へと別の入口から再就職しているかのようです。彼らは「耐乏」「浪費」「倹約」といった道筋を通り、、おのずと「省エネ」へと至った戦士といえそうです。知恵を持った戦士は頼もしいものです。ヨーロッパ型の疲弊より、なんとか日本式の新しいゆるやかな繁栄をもたらして欲しいものです。

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Q4:RC構造でいわゆる「打ちっ放し」仕上げの場合、暖冷房のロスはどれくらいか?

A:
数値的には分かりません。コンクリートの強度を増すと比重(質量)も増し、熱容量は大きくなるはずです。躯体の体積によっても実際の熱容量が変化します。
床暖房から発する赤外線(電磁波)は暖房効果より先に壁や天井など躯体に吸収され、さらに外気により外側から順次熱を奪われ、なかなか暖房効果が得られない、というのが実態です。熱伝導性の悪い空気の性質を利用し、その場合は空調による冷暖房の方が適していることになります。なお快適性を求めるなら、床暖房と空調機の併用に頼ることになります。

Q5:特に「床冷房」では結露が心配だが、暖冷房時で配慮すべき点はなんですか?

Aやはり「断熱」と「気密」が大切です。
床冷房において結露が起こる条件は、床温度と室内空気温度の差と湿度の連続的な補給がおこなわれること、となります。結露するためには、冷えた固体に対して常時湿った新鮮空気が補充されることが必要です。屋外であればこの条件は簡単に満たされ、冷えた固体はビショビショに濡れ、結露というより水漏れのように連続し、あたりは水浸しになります。
屋内ではこの条件をなかなか作れません。床冷房は毎日計画運転されますので、壁や天井は冷やされた床温度と同じ位になり、空気温度も同様になります。その結果、先の条件の通り「温度差」が生じにくく、結露も起こりにくくなってしまいます。
床冷房で無理やり結露を起こさせるには、床温度を20℃以下にし、そこにファンで湿度の高い外気を当ててやる、といった不自然な仕組みが必要になります。
そもそも、床温度が25℃以下の場合は足元が冷えすぎます。そのため床冷房では床温度を25〜27℃程度で使用します。蓄熱暖房の場合もそうですが、蓄熱(蓄冷)では「1℃」の差が大きな熱量差をもっています。
いずれにしろこの温度(25℃)ですと結露はそもそも起こりません。結露させることが困難なのです。
これはとある工務店様の話ですが、別の方式で数日の間床を冷却し続け、何度だったか分からないが、室内に結露はなかった。ところが空気を入れ替えるために各窓を全開にして外気を入れたところ、あっという間に床全体が湿ってしまったいいます。そのときの床温度はたぶん20℃以下で、屋外は気温・湿度とも高かったはずです。
これは通常はありえない現象ですが、条件が整えば結露は起こるという例です。床冷房に限らず、冬季に外気が天井裏や壁内に流通する構造の場合、室内でキッチンなどから煮炊きで蒸気を発生されると、天井や壁で強烈な結露が引き起こされることがあります。これもまた大きな温度差と湿度によるものですが、これを無くすには、断熱とキッチンの局所的な換気に留意することで解消されるはずです。
温度差、一定の高い湿度をもった空気が補給されつづける、というのが結露の条件です。

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Q6:複数階層の場合、各階層に床暖房を敷設したいが?

Aある場合は地階から三階まで吹き抜けがあり、空調機では制御が困難で、しかし床暖房を各階層に敷設するのは贅沢すぎる、あるいは不経済である、といった事例は多々あります。
そうした場合、モアがお勧めするのは、一番下の階層に蓄熱(蓄冷)層を設け、他の階層はエアコンで補助的に冷暖房をおこなうのが自然だ、ということです。この「自然」とは、空間経済的に無理がないという意味です。
蓄熱式は常時熱を発し(暖房)、あるいは除去(冷房)するため、同一空間はこの影響を受けます。ただし空間的に広いため暖房(冷房)能力が不足するので、補助的にエアコンを弱運転することが合理的です。そもそも床冷房は除湿能力がないため、おのずとエアコンの併用は外せません。それでいて維持費は本来の空間に対する負荷より小さく、経済的に使用できます。床冷暖房にしてもエアコンにしても、ヒートポンプはそういう特性を持っています。



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Q7:一階のみ床暖房を敷設した場合、二階への影響はどうですか?

A
「Q7」と同じ考え方ですが、蓄熱式は毎日計画運転をしますので、二階へも影響を与えます。そのためには、二階はともかく、一階の天井は断熱しません。それにより熱的な影響を与え易くします。そのことで、二階は不快にならない程度のエアコン弱運転で対応できます。この場合は空調でも快適です。

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Q8:床暖房の出力はどう考えればよいですか?

A暖房能力の表示方法は色々あります。床面積1平方メートルあたりで何kcal必要か、あるいは何kW必要か、といった考え方が習慣的にあります。目安を求めるにはこれが便利です。
ただし、それとともに配慮するのは、建物の立地条件や建物性能です。建物の性能がよければ、目安は「アバウト」で済みます。断熱・気密性能により、それほどの影響があります。
施工者としては、あまり神経質にならずに「アバウト」にゆきたいものです。結果が建物により保証されれば、気楽にやれます。
設計段階では、たとえば断熱材自体のいわゆる「Q値」は製造者が実験で具体的な数値化をし、それを表示しているので、その限りでは確かな目安にできますし、実際に参考にしています。
モアもそうですが、現場サイドではしかし、製品自体のQ値は確かでも、それを採用する建物構造・デザインや立地条件により、そのQ値はあくまで上限・最大値であり、しかし使用すれば必ず数値は落ちると判っています。性能が最大限に生かされるのは、窓のない、矩形の家です。
が、そんな家はありません。断熱材の採用は必須ですが、それを最大限に利用しつつ、個性的なデザインを求める居住者の意向を無視することも出来ません。
家はやはり、複数の視点から建てられるため、矛盾し合う各合理性の妥協点で完成する、と思わざるを得ません。より未来的にはシンプルになると想像されますが、家族の人数によって部屋数が増え、それをなんとか満たすために建物の形が複雑になることは多々あります。必ずしも快適性一辺倒でなんとかなるものでもありません。
ここで本題ですが、蓄熱式でも能力判定には平面的な1平方メートルあたりの熱量(kW)で目安を立てますが、厳密には、というのか合理的には、断熱性能・間取り・屋内側蓄熱体(壁・天井も含む)の熱容量、居住する人の数、それらに対する床からの赤外線量(磁束密度)を相対的に数値化すれば、かなり正確な負荷予測値が立てられるのははっきりしています。
ということは、既に建てられた家について、自然状態で各ポイントを温度計測して暖房能力を決めるのが確か、ということになります。
壁内部の構造や仕組みは色々あり、間取りも色々、そこに収まるはずの性能の良い断熱材がもたらす効果は、それらの仕組みにより半減したりさらに生かされたり、複雑な経過をたどることになります。それを設計段階で数値的に読み取ることは至難のワザで、量産型のイージーオーダーというべきハウスメーカーの建物でさえ、それはあくまで「標準値」というしかないはずです。あるいは断熱材の性能表示同様、ごく部分的な数値というしかない性質のものになります。
これはとりあえず床暖房(床冷房)に限った話ですが、実際の施工では、以上の理由からやはり、現実的には許容範囲を定め、その中でプランニングします。平面的な負荷の目安も、おのずと安全係数を考慮し、立地条件などで左右される負荷条件をあらかじめ考慮します。避けられないロスを前提にするしかありません。
高断熱の家でも熱は逃げます。それでも従来の断熱よりはるかに頼りになる性能を持っているということも、この前提には入っています。そうしたカタログ表示と実際の効果により、現場の経験則が生まれ、それが安全係数に転換されます。
建築地はどこか。山は近いか、海は近いか、そんなことも考慮します。東京でも山間部と呼べる地域があります。別荘地のようでもあります。家の背後に小高い山があれば、その岩盤は強烈な負の熱的効果・影響力を持っており、普通のヒートポンプでは対処できないためイヤでも灯油式の強力な熱源機を採用するか、あるいは補助ヒーター付きのヒートポンプにするか迷います。昔ならそれこそアバウトに大型の機械を設置すれば問題はない、と判断しました。
ところが昨今の事情はそれを許しません。効果的で工事費も維持費も安いこと、それが前提条件です。快適性を求めるのも決して贅沢なことではなく、その合理性は経済性にも反映され、さらに環境問題への配慮も含む、といったことになります。これをクリアーするために、ギリギリの負荷計算で、設備にギリギリの能力を持たせるといった、けっして従来のアバウトさでは対処できないプランニングが求められます。
その前提での「経験則」があります。なおそこに安全係数を含めます。建物性能を含め、それを生かし見合ったムダのないプランとして、例えば負荷の最低条件を設定しています。
具体的には0.1046kW/uですが、これを床面積65uに適用すると、約6.8kWとなります。
暖房出力とともに、そもそも床暖房(床冷房)の暖房(冷房)効果を考えるには、次の「Q9」にあるような、空調や従来の負荷単位とは別の目安を設定するしかありません。しかしこれがまた、いろいろ困難を含む厄介なシロモノです。やはり実際に建てられた建物に対して有効になるという、結果的な計測方法しかないからです。


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Q9:床暖房の効果とは、つまりなんですか?

A
どんな仕組みであろうと、床暖房の暖房効果は「遠赤外線効果」です。床冷房においても、この床暖房効果を熱の飛ぶ方向としてまったく逆に考えることで有効になります。
おおよそ熱が逃げるという場合、その熱の移動は電磁波(赤外線)の形で空中を光の速度で飛散することを指します。温度の高いところから低いところへと、周波数帯とてして遠赤外線に属す周波数で移動します。
熱は、周囲の温度と同化・均衡するまで、温度の高いほうから低い方へと移動し続けます。最終的には極寒(?)の宇宙空間へと熱エネルギーは逃げてゆきます。
床暖房効果は空気温度では考えず、この遠赤外線の性質と物自体が含みうる熱量で考えます。この熱の移動・運動を拡大して考えれば「地球温暖化」の原因も想像できるようになります。

※次項「省エネ・エコイズム」で説明しています。


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Q10:「省エネ」「エコイズム」の観点からはどう考えるか?
A:まず、抽象的には、「省エネ」と「エコイズム」の実際的な普及や展開は、さらに経済的要請(現実)との三項にまつわる関数的な係数の変化に左右される、といえば話は手っ取り早くはなります。つまり、どこへ行くのかわからない、ということです。
関数式を作って目標値を代入しても、その結論が当てにならないだろうことは自明です。ある結果に対してのみ関数関係は分かり、しかしその式は他の実行に際しては役に立たないだろう、という先験性が常に実行にブレーキを掛けます。それでも現実的に実行可能な範囲というものは明らかになりますが、ある理想値からはかなり後退したものになりがちです。現実には各国の事情があり、その事情を勘案して排気ガスの排出量を債権化して売買するという、分かったような分からないような話もあります。現にトヨタのプリウスにおける開発プロセスは、「販売市場の余地」として目的化され推進されてきました。なにも世界の自然事情を憂いて開発されたワケではありません。商売になるという判断が開発促進の起爆剤でした。経営判断とはそういうものです。
現状での国の試行的な目論見では、「とりあえず消費効率(燃費効率)をあげるための実験的側面が含まれる設備については、それに関わる経費は問題にしない」といった観点に立っています。元が取れなくてもとりあえず実行して様子を見るという、多様な「実験」をおこない、物量的に自己資金と公的資金を投入することを実行しています。その前提で助成金制度などを設けています。「エヒキュート設置」や「ヒートポンプ利用」「地熱など自然エネルギー利用」をする給湯や暖房システムに対して実験的投資(税金による)をしています。COP値「4」以上で認定を受けられます。これらは個人と国とで投資費用を折半するという発想です。
いささか危うい実験ですが、机上では結論が出にくいという意味では、行動的で前向きな姿勢といえます。場当たり的になりうるこの実験から危うさを取り除くために、物理的専門家が各実験結果を評価できるようにバックアップ体制も採られています。
これらの試行にはかなり費用がかかります。ソーラー発電や地熱利用の設備システム、いまだ少量生産で単価の高い機器を採用するなど、個人負担では元の取れない新設備を採用するのですから、この「アース・コンシャス」な意欲の発露を国も静観はできないという、切実さも読み取れます。
「地球温暖化」は北極の氷やノルウェーあたりの氷河の崩壊現象などから目で見える形で進行しているのが分かります。ツバルという小さな島国が水没しつつあるのも事実です。水の都ベニスもさらに海面下に沈もうとしています。ベニスは地盤沈下の結果かも知れませんが、有名な観光地であるだけに不吉な予感が漂うのも無理はありません。沈みゆく国や都市を目撃すれば背筋が凍る思いがするのは、同じこの地球に生きる身には他人事ではないからです。
大気温度が地熱と太陽からの熱との相関関係にあるように、建物内の熱もまた壁を通じて外気温度と相対関係にあります。どうしても熱は逃げるということですが、これを少しでも食い止めるのが「断熱」です。
資産をお持ちの方はぜひそうした実験的な試みに参加していただき、国もまたそうした心意気に助成制度でバックアップして貰いたいものです。助成金制度への申込み数は増えているそうです。担当部署ではその助成資金が世の不景気のせいで予算として年毎に変動的であり、個人があえて投資するというその「省エネ」への意気込みには、なお対応しきれないといいます。
国よりも家を建てるならと意気込む個人のほうが、「省エネ」や「エコイズム」において先見的であり積極的だと批判されかねません。
しかし、役所の担当者も思っていることでしょう、問題は環境も福祉も全般的な景気浮上策やら、そもそも赤字国債発行で凌いでいる国家予算の現状が立ちはだかる限り、なかなか予算の増額要求などできない、と。
この「予算」という媒介項が特に、先の関数値への不信を招く不可測な要因をなしているといえます。より確からしいその結論を待っていれば、家はなかなか建ちません。建てられません。
それでも、地震を含む自然災害やグローバルな次元での「省エネ」「エコ」といった条件を同時にクリアーする、というのは現在の建築では避けて通れない条件です。
それでも必要に迫られ、実際に建築プランを実行するにはこちらを→「
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地球から太陽が遠ざかる季節が冬ですが、地球内部でこれだけ熱が作られるのに氷が張るというのは、思えば素朴に不思議な感じがします。
「温暖化」はどのように考えればよいのか、これまた困難です。二酸化炭素は「電導体」なのかといえば、その「炭素=C」の部分が電導体であり、遠赤外線を跳ね返す性質を持つといえます。実際の「保温効果」とは、この「炭素=C」や、化石燃料の燃焼時に必ず排出される「水蒸気」、ジーゼルエンジンから排出されるカーボン(これもC)など、複合的な成分によって構成される「ガス」が濃密な状態になり熱の放出を妨げる、と考えられます。
なお世界は化石燃料を必要としていますが、変更可能な先進国は化石燃料の消費を徐々に減らし、自然エネルギー発電による電気エネルギーを優先せざるを得ないでしょう。その中では、確かに実績のある「原子力発電」も見直され、その建設計画は世界各国で増えています。
ただし、こうした努力が百年続いたとして、果たしてそのとき、化石燃料の在庫は残っているのやら、という気の抜けてしまう思いもあります。




Q11:蓄熱式施工の実績から自己評価できることはなんですか?

A
「蓄熱式」床暖房はよく言われるとおり、いわば大陸型の暖房方式です。石で出来た建物や暖炉、あるいはやはり石でできた煙道を利用した暖房システムが元となっています。これらは自然発生的な知恵が応用・進化したものです。その意味では現在の蓄熱式も仕組みとして独自性はありません。歴史的・地理的に広く利用されてきた発想といえるばかりです。
それらに共通しているのは、室内で発生させた人工的な熱を無闇に放出させず、それを石という固体に蓄熱させて温存し、そこから二次的に発生する輻射熱(遠赤外線)によって暖房効果を得るというものです。
薪ストーブや暖炉を使用したことがあれば分かり易いのですが、この方式の暖房設備が心地良いのは、より積極的に「輻射熱(遠赤外線)」を利用すべく意図的に発生した熱をひととき溜め込み、それによって輻射効果を高める仕組みを採っています。この「輻射効果」は、空気を暖める方式(空調)より熱エネルギーをより分布的にも時間的にも均等化させて利用するため、ムダが少なくなるのが特徴です。
この「均等化」は同時に、輻射(遠赤外線)の緻密さとも関連し、低い温度ながら体温の低下は食い止めるという、ごく自然な暖房効果をもたらすものとなります。まるで自分の体温で暖まっているかのよう、と言えば良いでしょうか。真冬の夜に布団に包まっていると暖かのいは、体温と布団の保温効果によっていますが、これによく似ています。蓄熱式床暖房から発する室内の遠赤外線が人体の表面に当たり、体温の放散を調節しているということです。
また、これらの仕組みでは既製製品を多用せず、熱源のみ人工的なものを使用して熱媒体は「水」とし、あとは輻射熱に頼るというシンプルなシステムのため、初期費用とともに維持費も安くなります。
空調機器の永遠の課題は暖めた空気を室内に上下左右均等に分布させるということですが、これは至難のワザです。均等化するためにもファンによる強い空気対流を必要とするため、不快感が増してしまいます。その暖められた空気が弱い伝熱性によりゆっくりと壁・天井・床を温めきれば、結果は床暖房と近似した結果に至ります。この暖かい空気による伝熱速度を高めるには、またしても強いファンによる空気対流を必要とします。
空気対流による暖房と比較すると、当初から輻射熱のみ暖房目的とする蓄熱式床暖房は「空調機器の永遠の課題」を初めからクリアーしていると断言できます。
暖房とは空気を暖めること、というのは間違いです。暖房の目的は体温調整を自然におこなうことであり、そのためには暖かい空気で身体を包み込むというより、体温と周囲の輻射熱環境が自然に呼応するようにすること、です。
それは体温より15℃ほど低い温度(21,2℃)であり、しかもその温度が身体周囲に均質に分布している状態が出来ていなければなりません。これが空調機器にとって理想であり、蓄熱式にとっては当り前な話し=現実、ということになります。
最近では対物性能が以前より遥かに向上していて、この性能を活かすためにも蓄熱式はいまや暖房の基本、とモアでは自負しています。
「より安全、より快適、より経済的」(more)というスローガンに嘘偽りはありません。

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