温水・冷水を作るヒートポンプ。「省エネ」の実際的な形がこれです。




2016/2/28 更新
「新電力」に期待したものの……

電力市場は20兆円規模。
それでワクワクするのは売手側であって消費者ではありません。
商売としては滅多にないチャンスでしょうし、エネルギー問題がグローバル化し、原油価格など株価まで左右する市場動向を反映して競合各社は並々ならぬ知恵の結集というのか傾注をしています。
ここ(市場)での前提は消費者は受身であって「かにがトクか、どこがトクか」を物色する存在、立場という無意識の立ち位置を想定して計画を立てています。
この競争総じて見回せば、電気代自体は安くならない、というのが一点。なにより「安く」「オトク」にする気などサラサラない、といったところ。その上での「おトク感」としいて、通信費が安くなる、ガス代やガソリン代が安くなる、ポイントが付くなどの「オマケ」競争がもっかの比較材料です。
ですから、「お年玉袋」ほどの妙味もないだろう、と推測します。右往左往するだけ時間の無駄です。電気代はどこも大差なし、というのが結論。
売上確保のためにそれまで100円で売れていたものを一気に50円で売ろうというのは、零細企業の苦し紛れの論理。各社がそれぞれに莫大な投資をするからには、消費者の「おトク感」に相対した「旨み(利益)」が見込めなければなりません。
値下げ競争はこれからだ、と思われます。
インターネットなど通信料が少しでも安くなればよい、という向きは
各社は作戦を立てつつゲートインしています。この四月に各社一斉にスタート。この先の激しい競争での途中、負けが見えてきたら苦し紛れのダンピングもありえます。
現今の電力各社の電気代はもろもろの理由で最大限、高いままです。売手にとって魅力的なこの単価を準用しての参入が商売上の真実。ソフトバンクが早々に太陽光発電に手を出したのも理由は同じです。電力不足の事態を打開しようとしたわけではありません。「売電」の「旨みを十分に見越したからです。買取りのため電気単価は上げられました。
「市場競争」には消費者も消費者として参入できます。つまり、「オマケ競争」の様子を静観するという方法により、消費者が何を求めているか、という市場原理の本来の姿を売手に示すことができます。
乗り換えはもちろん自由です。通信費が安くなるのは魅力的と感じる人は乗り換えるべきです。ですが、電気代が安い、と実感したい消費者は、当面、東電にそのままお付き合いしていたほうが時間経済的に「オトク」かも、と思われます。これは「東電」がお勧め、というわけではありません。東電は過去より消費統計と分析をおこなっています。冬季に気温が1℃落ちれば電力消費は何万キロワット増加するか、あるいは人間というものは当初はあれこれ考えるが使いだせば必要なだけ使ってしまうものだ、と実感しています。東京ガスも同じです。その電力会社が設定している単価を尊重する、というのが新電力各社でもあります。それまで築いてきたノウハウを信用する、というのは新電力各社です。
ならば消費者も、少しだけ謙虚になった電力会社の今回の設定をしばらく準用してはいかが?と思われる次第です。そのことが新電力会社をきっと刺激するでしょう。

 新電力各社の「おトク感」の演出があまりに多様・煩雑で、比較するだけで時間の浪費という人的エネルギーの粗過失と思われます。会社選びは安い電気代を求めてのことのはずが、いつのまにか「オマケ」比較になっている、ということです。

「結 論」
電気代はどこも安くはしていない。これは競合各社とも電力会社の設定する電気単価に準じているからで、あくまで各社の設定する「オマケ」にオトク感を覚えるか気に入れば、それに従って選択すればとりあえず「損」はないということです。
あまりメリットが感じられなければ、そのままこれまでの電力会社との契約を維持すれば足ります。損も得もない、といったところ。ただし、これまでの消費電力があまり多くない世帯とともに、多かった世帯は東電・関電など大手電力会社に相談して切り替えないと確実に損をします。
重量料金の仕切り直しがあるからです。該当する電力会社のホームページをよく読む必要があります。

「で、どうしたらいいか」
ガッカリ。イライラする向きは、この際、自力で太陽光発電と蓄電池の設備、ならびに東電であるなら「スマートライフプラン」契約をセットにし、夜間の安い電力で蓄電し、昼間は蓄電池と太陽光発電で電気をまかなえばもっとも「スマート」であり、クールな選択ということができます。
各大手電力会社は、深夜電力は賢く使えばおトクです、とこれまでも言い続けてきた。
ならばここは賢くクールに対応すべきです。原発問題からも足を洗えます。
このクール・ジャパンが推奨です。

ところで蓄電池の各メーカーは、政府や電力会社に妙な気遣いをしてはいないだろうか。非常用程度の蓄電器量の設定はいかがなるものか。もう少し実用的な設定ができるはず。
これまで「エコキュート」を筆頭に護送船団方式でE市場を高値誘導してきた手前、露骨に裏切れない、という日本人気質をだしすぎてはいないだろうか。いまこそチャンスですよ。
期はやっと熟した。自由市場の創設に一役買うべきでしょう。シャープも台湾の会社と手を握りました。


ここでなお、最低限度いえることは?

それでもLPGや都市ガス・灯油より電気は安い、ということ。
このことがまた電力業界が市場でアクラをかく要因にもなっていますが。


<「新電力」での」計算方法>


まずご自分で電力会社を選んでください。
ライフステイルにより、なにが、どこかトクかわかりません。

ヒートポンプ仕様1.(時間帯別単価契約試算)
消費電力 1.46kW
電気単価9.17円/kWh(東京電力単価)
運転時間 8時間
1.56kW×単価×8時間運転= (円/日)
※ご注意 : 夜間の安い電気代の時間帯のみで計算比較しています。
この場合は昼間の電気代が高いため使い方によりトータルの電気代は以前より高くなる場合があります。


※灯油仕様
燃料消費量 0.85g/h
単価 80円/リットル(1,440円/1缶)
運転時間 8時間
0.85g×80円×8時間≒544(円/日)
灯油仕様 544円×30日=16,320円/1ヶ月

※都市ガス仕様(東京ガス)
燃料消費量 0.63立方メートル/h
平均単価 131円/1立方メートル
運転時間 8時間
0.63×131円×8≒660円/日
都市ガス仕様 660円×30日=19,800円/1ヶ月


※新電力試算表を作成中ですが、夜間の安いはずの電気単価は上昇しています。なにより同時に昼間の電気単価は高いため、深夜単価だけで比較しては大きな誤りとなります。

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