「断熱」を考えるには「熱」の性質を知っておけば自由自在。 |
「熱」について多角的に考えてみると 断熱・建築・床暖房の働き・効率・経済性・健康の側面から、 徹底して知りたい方への少々マニアックなページになっています。 |
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このページは「熱」がテーマです。
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1.「熱」の物理的な特性 「熱」はそれ自体でも運動するエネルギーですが、実際にはその周囲のあらゆる物質、あるいはエネルギーとの関係で、運動の方向性を持ち、あるいは「熱い」「ぬるい」などの状態的な性質の一端を垣間見せます。魔法瓶の中でお湯を冷めないようにするのも、あるいは車のエンジンが帯びる高温度を速やかに冷却する必要も、その「熱」の性質を理解して、拡散を防いだり、あるいは逆に効率的に発散させようとしています。 「太陽」は天然の溶鉱炉とか、あるいは核融合炉などといわれますが、それは「熱」が生じる原因についていっていることになります。 そこ(太陽)から発せられる「光」が含むさまざまな「電磁波」は、原因であり同時に結果でもある、といえます。話は少しおおげさになりますが、その特性を手段とし、「暖房」という目的に利用するために「コントロール」するのが、「建築」や「床暖房」(「冷房」)の役割の一つだといえます。 (1)熱の移動の仕方 「熱」をコントロールするためには、その性質(状態)を2態に分け、了解しておく必要があります。 現状、これはコントロールできませんが、地殻変動などでのマグマの対流のように、「熱」は常に運動しています。一つは「物の中に留まった状態」で、しかし岩を溶解して液状化してしまうとか、あるいはじっとしていずに、地表などのより温度の低い方向へと「熱」は移動(伝熱)しようとします。移動した先にすでに「物」がなく、「空間」しかなければ、その表面からは「電磁波(赤外線)」となって大気圏,へ、さらに宇宙空間へと「熱」は姿を変えて放散します。その熱量が小さかろうと大きかろうと、性質はまったく同じはずです。物体と環境温度とに「差」があれば、熱は移動しようとします。 a.物の中にとどまった状態の熱(伝熱で温度の高いほうから低い方へと移動) b.空間を高速(実際に光速)で移動する状態(輻射熱とか赤外線・電磁波と呼ばれる状態) 地球の地殻における恒常的な圧力(重力)による「熱」の生成とともに、地表には、やはり強烈な重力による核融合で生成する「熱」がそれとは逆の方向、太陽からやって来ます。 この両方向から来る「熱」のバランスが気候を左右します。地熱は安定的で、一方、太陽という恒星を周回する惑星である地球の位置により、太陽から来る「熱」は変動的と感じられます。火山活動などが間欠的なため、地熱も同様に変動すると思えそうですが、地球の質量と成分とが不変である限り、そこで「熱」を生成する条件はほぼ一定、と想像できます。変動しうるのは比較的に地表近くであり、マグマという流動性の固体や火山ガスが閉ざされた状態だと圧力が増し、余剰の「熱」が生成されはします。膨張の際の他へ与える力は、気体、液体、固体の順で、圧倒的なものとなってゆきます。マグマの層よりもより深部の物体が不安定であれば、地球は丸ごと爆発する可能性を持つはずです。が、地球の生成期から順に考えれば、気体や液体ほど、その比重と「熱」との影響を受け易く、対流を起こして、おのずと中心部(深部)から「安定」な順に、地殻が形成されたのは想像に難くありません。日常で知られる単純な現象です。鉄やニッケルが地球の地殻を占めるといわれるのも、それを明かしています(つまり地球の核はステンレスだ、と思えばよいわけです。ステンレスは鉄とニッケルの合金です。月の核も同様だといわれています)。 これらの、いってみれば安定な状態を不安定にする要素はまず、なにかしらの「気体」であり、次に「水」だといってもよいはずです。 太陽から来る「熱」は、「光」と総称される電磁波の集合体の一部をなすもので、「赤外線」と呼ばれています。この「赤外線」という呼称は、同じ光の成分のうち、「可視光線」の周波数帯の一番大きい側が「赤」であり、そのすぐ外側だから「赤外線」と呼ばれます。反対に、「可視光線」の帯域の周波数の一番小さい側が「青(紫)」であり、それでそれよりすぐ外側の帯域を「紫外線」と呼びます。この電磁波は、周波数が小さいほど、「生物」にとって危険だといわれています。 このように、「熱」の「二態」とは、物の中に熱が留まっている状態と、「電磁波」に姿を変え、熱が空間を移動する状態の二つを指しています。 (2)温度勾配(傾斜) 重力のある地上では、坂道に置いたボールは高いほうから低いほうへと転がります。これに例えて、「熱」の持つ性質を示すために、「温度勾配」と呼ぶことがあります。これは、「熱」は高い方から低いほうへ移動する、という単純な性質をいっています。物の中にある「熱」は伝熱作用で温度の低い側へと移動し、温度分布として平均化しようとします。100℃のお湯と同量の50℃のお湯を混ぜると75℃になる、というわけです。この運動は一方向のみに可能で、それを再び「100℃のお湯と同量の50℃のお湯」に戻すことはできません。不可逆的だ、ということです。 また、伝熱作用により物の中で均質化された熱が逃げ場を失うと、空中に向けて放熱します。この時「熱」は「電磁波」(赤外線)となって飛散します。その電磁波が最寄の別の物(しかも絶縁体)にぶつかると、それを透過しようとし、その過程で再び「熱」に化けます。「熱」はそのようにして傾斜を低いほうへと転がっていく、というイメージが大事です。 (3)熱のコントロール 「熱」をコントロールする、とは、その温度と分布の制御、そして時間割を与える、ということです。その要素のうち一つでも曖昧にしておくと、「不快さ」が表れる場合があります。といって、「快適さ」にも個人差があり、いずれの場合も幅をもって考えるべきなのはいうまでもありません。 「熱」が邪魔なのか、あるいはもっと欲しいのか、何度くらい加減すれば良いのか、それを現実の条件(現場)によって設定する必要があります。「熱」はじっとしていません。色々な形で運動しつづけています。ですから、それをコントロールするには、建物構造による性質(断熱性能や採光範囲)を見極め、過剰か不足か、どの程度の熱量を連続的に加減すべきか、だいたいの目安を持っていなければなりません。 よく知られているのは、東京ガスによる暖房(冷房)負荷基準です。これは従来の木造建物などにしか適用できませんが、例えば、建物の1階にある部屋なら120kcal/h(約0.14kw)/u、2階なら130kcal/h(約0.15kw)/uといった数値を暖房の目安としています。 ひところの建物構造であれば、これを目安として差し支えありませんが、ここ数年来、建物の断熱性能はさらによくなっており、この負荷を用いて暖房設備を設計すると、ムダがでることがあります。現在、負荷が100kcal/hを下回る建物は、いろいろででいます。 同時に、特に床暖房設備の場合、何がしかの燃料により作り出した熱を経済性(省エネ)を基準に考えると、ともすれば宇宙まで逃げようとする「熱」を極力、部屋内に留める建物側の工夫と、暖房システム自体の構造、そして燃料自体も考慮しなくてはなりません。その三位一体の仕組みを作り出せば、理想的な屋内環境を生み出すことができます。快適で、維持費も安い、といった建物です。 現在、建物構造によっては、本来なら一部屋分の燃料費で、すべての部屋の暖房費をまかなえる、といった建物はできています。今後さらに、異常気象なのかどうか前回の冬のような「寒波」や、あるいは今夏の熱暑で耐えきれずに使う冷暖房光熱費を大幅に節減できる建物構造の工夫は、主流になりつつあります。仕組みによっては、そのせいで建築費がかさむということもありません。 「熱」に係わる条件を多角的に考慮すれば、これは可能です。 (4)固体・気体・膨張 「固体」も「気体」も、「熱」によって膨張や収縮をする性質はよく知られています。 「熱」の運動はめまぐるしいもので、おのずと、厳密にはすべての「物」は膨張したり収縮したりを繰り返していることになります。地球上のすべての物質は運動しています。それにさらに「熱」を与えると、気体は特に体積的な変化が大きく、固体はその変化が微妙です。それでも気体には温度を与えにくく、物体には温度を与え(加熱)やすい、ということがあります。 同じ「熱」を与えたこの二つの物質の見掛け上の変化は、他の物へ与える影響として比べると、気体より固体の膨張のほうが他へ大きな力を加える、といえます。その固体の種類によってまた変化(膨張率)は違いますが、「熱」を帯びた固体はその変化において他の固体に思わない影響を与えます。 このことから、特に床暖房の場合、床表面の温度は小さいほど良い、といえます。しかもできれば、一定範囲の上下変化に留められるよう、温度管理は一定の範囲で継続的におこなうのがよい、ということになります。このことは同時に、「快適性」にも直結した問題となります。 いってみれば、家の中から温度的な季節変動を可能なだけ排除し、生活上の潤いとしての季節感は屋外に求める、というのが、理想にもなります。 また、経済性(イニシャルコスト・ライニングコスト)の面でいえば、「部屋を暖める」には大きな熱量(コスト)が必要です。それに対し、スポット的に人体を直接温めれば、それより小さな熱量(コスト)で済むはずです。暖房(冷房)は空間(空気)に対して考えるのではなく、人を含む「物」の性質を理解して効率化を図ることが大切です。 暖房も冷房も、気体や固体に大きな膨張(収縮)を招く仕組みは、そのまま大きなロスを生むことを意味します。 「温度」ではない、必要総熱量(負荷)の問題だ、と覚えておくべきです。このことは、次章で説明しています。 2.感覚的な意味での「熱」 寒暖計の示す温度と実感的な温度には誤差がある、と、われわれは時々感じています。 そのことを、天気予報などでは「体感温度」と呼んでいるのを耳にします。「気温は5℃でしたが北風が強く、実際はそれより寒かった」などといいます。 気象学などのためのデータ用とする基準は、温度測定を同じ条件下でおこなわなければ比較上で統計的価値を失うため、いつも風の直接当たりにくい、しかも日陰の一定地点で計測するのが普通です。これは同時に外気(空気)温度を計っていることになります。 ところで人間は夏でも、30℃を超える直射日光の下にもゆくし、日陰にもたむろし、あるいは屋内の冷房が効いた部屋にじっとしていることもあります。「暑い」「ほどほど」「寒かった」などなど、同じ気温の日にそれぞれ別の感想を述べることはあり得ます。しかもそれぞれの印象は正しいわけです。 実のところ、百葉箱の中で計測される温度は、しかしどちらかといえば「感覚的」な温度に近いといえます。なぜなら、空気温度は、熱エネルギーの二次的な情報だからで、絶対基準にはなりません。華氏温度にしても同様です。氷ができる温度を基準にしても、絶対零度を基準にしても、これらは皮膚感覚的な計測方法だといえます。冬、同じ0℃の日の朝に、氷が張ったり張らなかったりするのは、そこに明瞭な誤差が介在する証しです。 もしも、温度計を百葉箱から出し、直射日光に当てたなら、温度はもっと高く(低く)なるはずです。これはさらに実感的な温度になるはずです。なぜなら太陽光線そのものの持つエネルギーや、設置した温度計周辺の環境温度のすべて(相殺を含む熱の総量)を反映するからです。この方法で計測した温度は、きわめて地域限定的なものになります。時には、任意の場所に立った一人の人間が浴びている個人的な範囲の熱量、というところまで限定的になります。 実のところ「床暖房屋」は、実際に施工する現場に立ってみて、皮膚感覚で計っている、というような原始的な方法を取る場合があります。「必要総熱量(負荷)」は、しかし、確かに皮膚で計るものなのです。そこにある自然の熱量(赤外線)の多少を、計っているわけです。それにしても「皮膚感覚」とは、危うい現場調査ではあります。が、東京都下でも八王子や青梅市など、数百メートルほどの海抜を持つ山に接している宅地は、要注意、と、皮膚は訴えるのですが…。 ここでは、「冷輻射」と呼ばれる、マイナスの負荷そのものが確かに、皮膚感覚で感じられる場合があります。外気温より低い山の岩盤が、あたりの熱を吸い取っているからです。それが体温をも連続的に奪っています。これは相対的な「質量」の差により、「岩盤と肉体」双方の熱容量の差が極めて大きく、人間の体温は岩盤よりも温かいために、強烈な熱の移動を引き起こすからだ、といえます。 この場合を「冷輻射」とよび、いわば冷房効果を果たしていることになります。 こうした「熱の移動」は、電磁波の形で起こります。そのとき、「空気温度」は実のところ、目安にすぎません。「皮膚」は冷気を感じるワケですが、この点が実に「感覚的」で、しかも錯覚だといってもよいくらいです。「冷気」はあるのですが、これもまた付近の岩盤によって冷却された空気があるため、それで涼しいと思わずにはいられません。確かに、頬に触れる冷気は「ひんやり」しますが、「気体」である空気の伝熱効果は、岩盤という「物体」が吸い寄せる物理的な吸熱効果の比ではありません。 この温度差の関係が逆だと、「輻射熱」により、人間は暖められます。暖房効果です。 人間の皮膚はかなり正確な「センサー」といえるでしょうが、「冷える」あるいは「暖かい」という「実感」は、物理現象としての理屈など意に介していない、といえます。「冷たい」から冷たい、「暖かい」から暖かい、と、結果を「実感」として判断しているだけです。 実際は、それらの冷暖房効果は、ある環境下で物体が孕む正負の「熱容量」、「空気温度」、「温度差」によって、冷暖房効果の程度が決まります。言い換えると、「輻射効果」「伝熱効果」「温度差」が冷暖房効果を左右するので、その三つが判断の決め手となります。 冷暖房効果においては、「空気温度」はいわば二次情報です。部屋の「寒暖計」は目安なのです。 (1)暖房に応用する際のコツ 先に説明した「皮膚感覚的」な温度の誤差について、それを基準にしにくいのは明らかです。 又、同時に、東京ガスが目安とするような負荷基準も、実際にはあまり役に立ちません。これは地域と建物構造において限定的な目安にすぎないからです。 実際に家を建てる際に注意すべき諸要素としては、ならばどこに留意すべきかといえば、これは簡単で、すでに利用されている「断熱材」と「気密シート」などの利用です。ただし、ここには書き切れませんが、その利用を「熱」の動きを予測しておこなわなくてはなりません。「熱」がどのような逃げるか、あるいは侵入してくるかについて、予測が必要です。壁の中にただ断熱材を入れるのではなく、どうせ入れるなら効果的に入れたほうが良いのは明白です。 断熱効果の良い建物では、「エアコン」を利用しても効率が良いのは明らかです。ただし、「暖房」にしろ「冷房」にしろ、「快適さ」という観点からは、「冷輻射」あるいは「輻射熱」の利用が、圧倒的に勝ります。テレビの宣伝にもあるように、「空調機器」は、「温度分布」や「空気対流」の不快さを極力減らそうと努力しています。これは言い換えるなら、「冷輻射」「輻射熱」の効果に近付こうとしている、ということです。究極の目標が、これら「冷輻射」「輻射熱」の効果と近似したものとなっています。しかしこれは、言い切ってしまえば物理的に不可能です。「空気」を媒体とすることは不経済でもあります。「冷暖房」における「膨張」や「収縮」の激しい「気体」の管理は、最終的にはとても困難なものとなります。 さらに、特に住宅においては、キメの細かい「快適性」と「経済性」の管理がネックとなります。これは同時に、「省エネ」や「エコロジー」の問題とも絡んできます。 * 一般的な床暖機材・部材・道具類の写真資料 (2)部屋の広さと熱の量 いわゆる「暖冷房負荷」という基準値(目安)をどこに置くかは、建物の性能によって大きく異なってきます。 そこで一般的な物差しでいえば、「高断熱・高気密住宅」を標榜している建物の場合、1uあたりで100kcal/h以下となります。ただしこれも1uあたりの、同時に1時間あたりの必要熱量(カロリー)となり、これをどのように応用するかは、さらに計算が必要になります。必要な蓄熱の総量と、それに達するまでの時間を 結論から言えば、「断熱性能」に自信のある建物では、一日の「暖房」のために、一日中室内に熱を送り込む必要はありません。ムダに供給しない、ムダに逃がさない、という観点から、「蓄熱式」などで「熱」を屋内側に留め、徐々に放熱する仕組みを採用すればよいわけです。 その結果、24時間暖房のために、5時間だけ「熱」を送り込む、といった管理ができるようになります。これを寒冷地など地域性を考慮して加減することになります。 (3)心地よさとは これは(1)と(2)での話とからんできますが、「健康的」なのは、「暑さ寒さも彼岸まで」というように、春や秋のある日のように「暑くも寒くもない状態」がもっとも健康的だと言えます。つまり身体に対して余計な負担をかけない状態と言うことになります。生理的な代謝活動において余計な負荷をかけない、といえばよいでしょうか。 但し、この状態が「快適」とはいえ、実のところ「暑さ」「寒さ」という変化によって身体(代謝活動)が鍛えられるという側面を考えると、手放しでは喜べない、ともいえそうです。ですから、鍛えるなら屋外で、ということになります。 ここではあくまで、屋内での住環境整備の一環として、「快適性」を追求しています。平静な状態での「代謝活動」が一定のリズムで、温度的なストレスの少ない状態でおこなわれることを目指す、ということです。 ですから、「暖かい」「涼しい」といった、暖冷房効果の初期的な「快感」とは少し異なります。「床暖房」でもその状態は簡単に作れます。それは送り込む熱量を増やせばよいだけの話だからです。 それよりも、「経済性」と「健康」とがどうしても主要テーマとなる昨今、この点を考慮することは商売上でも重要なのは明らかです。 おまけに「快適性」は、人間が抱く観念によっても、その性質というのか「感度」が微妙に変化するという性質があります。ある時は汗をかくことが快感になり、その後の冷たいビールも快感であるという、はなはだゼイタクな傾向も持っています。それも必要であるとして、さらに日常的なつつがない「平穏さ」を価値とする側面も、人は持っています。 「床暖房」は、そうした必要な変化の合間に持続する「平穏さ」のイメージを、目標とします。ここが分かりにくいところでもあり、その効果は体験してみなければ分かりません。 あまり寒暖を感じさせない「平穏な」心地よさ、それが床暖房の当面の目標ということになります。 3.人工的な波長と自然の波長 (1)電磁波の分類と自然光 「電磁波」と聞いただけで身の毛がよだつ…。これは、SF映画や携帯電話、電子レンジなどの「マイクロ波」の持つ危険性が喧伝された結果、その「怖さ」だけが波及した心理的アレルギーといえます。 しかし、快適で「暖か」な電磁波もあります。地球上の動植物はほとんどすべて、自然界におけるあらゆる波長の「電磁波」にさらされています。危険性は、人工的な波長にほぼ集中しています。 下の分類表をご覧ください。 |
<電磁波の種類と利用例>
※単位 1000ヘルツは1Kヘルツ、1000Kヘルツは1M(メガ)ヘルツ、1000Mヘルツは1G(ギガ)ヘルツ
名 称 | 周 波 数・波長 | 利 用 例 / 区 分 |
超々長波 | 0.03〜3ヘルツ 3〜3000ヘルツ |
家庭電気製品や高圧線からでる |
超長波 | 3〜30Kヘルツ | 電磁調理器 |
長波 | 30〜300Kヘルツ | 気象通報 |
中波 | 3〜30Mヘルツ | ラジオ・航空機無線 |
短波 | 30〜300Mヘルツ | 短波放送・国際放送・電気通信事業・警察無線・ アマチュア無線 |
超短波 | 300〜3000Mヘルツ | テレビ放送・FM放送・ポケットベル・アマチュア無線 |
極超短波 ※危険帯域 |
3〜30Gヘルツ | 携帯電話・タクシー無線・テレビ放送・列車講習電話・自動車電話・ 電子レンジ ※水の分子を運動させ作用するので危険視される。 ただし製品・用途によってエネルギー量は異な るので危険度はちがう。 「使い方」によって危険を生じる場合があるということ。 |
センチ波 | 3〜30Gヘルツ | 電気通信事業用マイクロウェーブ中継・航空・船舶レーダー・衛星放送・ |
ミリ波 | 30〜300Gヘルツ | 各種レーダー |
サブミリ波 | ||
赤外線 | 赤色光0.74μm〜波長1000μmまでの領域に相当する電磁波。 生命体をも含め、熱を帯びている物体から発散される |
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可視光線 | ||
紫外線 | ※危険帯域:紫外線はABCランクに分けられ、特に B・Cタイプが危険視される。 皮膚表面の色素細胞を破壊する恐れがあり、 皮膚ガンの原因の一つとされる。言いかえると DNAに内包される遺伝情報の配列を損傷させ、 生命細胞の無限増殖(ガン)を招くことになる> |
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エックス線 | 医療機器 ※危険帯域:紫外線よりも分子レベルで 生命細胞に破壊的な影響を与える。 |
電磁波の測定単位について | ||||||||||||||||
電磁波を測定する場合の単位は電磁波の種類(低周波か高周波か)によって違ってきます。それは周波数の違いにより電磁波の性質が違ってくるので、ひとつの単位で比較することができないからです。低周波の場合はひとつの波(波長)が大きいので電場と磁場を分けて測定しますが、高周波の場合は電場と磁場が一体化しているので電力密度(あるいは磁束密度)という単位で表します。
磁場の単位(低周波) ガウスというのは磁気の単位として耳にしたことがある方も多いと思います。ガウスというのは磁束密度の国際単位で、1平方センチメートルあたりの磁力線の数を指します。平成9年10月1日から磁束密度の国際単位はガウスからテスラに変更されました。ちなみ地球上では平均50マイクロテスラの磁場があって、極地(北極や南極)に近づくほど高くなっています。N極とS極は動かないので静磁場と言います。 1G(ガウス)=0.1mT(ミリテスラ) 1万G(ガウス)=1T(テスラ) 電場の単位(低周波) 下敷きをこすって頭に近づけると髪の毛が立ちます。これは下敷きに電気が集まり髪の毛が吸い寄せられたのであり、これが電場です。電場の強さを表す単位は「キロボルト/メートル(kV/m)」や「ボルト/センチメートル(V/cm)」を用います。低周波の電磁波問題は磁場のガウスが基準となることが多いのですが、電場の人体への影響も懸念されています。 1kV/m=10V/cm 電力密度の単位(マイクロ波) 携帯電話や電子レンジのマイクロ波の単位についていは、電場と磁場が絡み合って状態で出てきます。1平方センチメートルの面積に何ミリワットの熱量が通過したかで考えます。 電磁波の伝わる方向に対して垂直な単位断面積当たりの通過電力(単位:mW/cm2等)です。 ※1000G=1T(テラ)、1n(ナノ)=1/100万mm、1=1000μ(マイクロ) 1μ=1000n(ナノ) |